時は 流れ翌年の1月になっていた
陽一さん(未だに照れている)とは 毎日メールのやり取りをしていて
電話も週に何度かかけて来てくれていた
進路も結局は最後の最後まで悩んだ末、一般企業に就職が決まり
何もかもが順調そうに見えた
土日は近所のスーパーでバイトをしていて、いつものように仕事をして
帰宅しようと裏口から出る時だった
「あなた、 さん?」
見知らぬ女性が声をかけてきた
「はぁ・・・そうですが・・・」
「あなた 北山陽一って人知ってるわよね?」
「えぇ、知ってますけど。なんですか?」
自分の名前も言わず いきなりなんて失礼な人なんだろ・・・
「あの人とはもう一切関わらないでもらいたいんだけど」
突然の事に 事態が掴めずに混乱して言葉も出なかった
唖然としていると話を続け
「あなたみたいな子が 付きまとってるからあの人結婚に踏み切れないんじゃない!!」
「結婚って・・・陽一さんが?」
「そうよ、ずっと待ってるのにおかしいと思って携帯見てみたら
あなたの名前ばかり・・。本当に目障りなのよね」
知らなかった そんな女性がいたなんて
なのに何で あんな事言ったんだろう
私 ずっとあの言葉信じてたのに
「それじゃ 分かったわね?もう二度とあの人の携帯にメールも電話もしないで頂戴」
自分の用件だけ言うと その女性は私の返事も待たずに帰っていった
とにかく電話しよ
陽一さんの携帯を呼び出し数コール
『こんばんは、お前からなんて珍しいね(笑)なんかあった?』
「今・・・女の人が」
『ん?どうした』
ちょっと陽一さんの声がトーンダウンするのが分かった
「結婚するから 付きまとわないでくれって・・・」
『は?なんだよそれ。その人って・・・
その人、どんな女の人だったか覚えてるか?』
覚えている限り その女性の身長・姿などを説明すると
『あ・・なるほど、そういうことか』
「そういうって そっちで納得されても私わかんないよ。
結婚決まってるのに 何であんな事言ったの?」
『いや、そうじゃ・・・』
「さよなら」
そのまま 向こうの話も聞かず携帯の切断ボタンを押した
さよなら・・・陽一先生・・・
その日以来 先生から何度か電話やメールが来たけれど
出ることも 見ることもせずに全て消してしまっていた
そうしているうちに 気が付けば先生からの連絡はなくなっていた