事務所近くのパーキングから車を出し 向かった先は
「高速?」
「まぁ 今日は天気がいいし、パーっとするにはもってこいでしょ」
少々おどけて言いながら 渋滞でひしめき合ってる上りを横目に中央高速を下る
四角い建物ばかりの殺風景な町並みから 味の素スタジアムを過ぎる頃
徐々に緑が覗く町並みへと風景は変わり
八王子インターに付く頃には 先々にある山々が見えるほどになっていた
そのまま 甲州街道へ向かい
更に車を走らせること40分
「わ・・・もう こんなに色づいてたんだ」
彼女の顔から笑顔がこぼれる
「そろそろこっちも紅葉の見頃だと思ってね。
どうする?高尾山あたり少し歩くかい?」
「折角だし、そうしましょうか?」
そう言うと向う先は 高尾山口駅近くの駐車場
車を停め 外に出ると空気がひんやりとしていて
背筋をこう・・ピンと伸ばしたくなるような気持ちになる
「もう 遅いから上のほうには行けないが、
ここのロープウェイを上ったところに猿とかもいるらしいよ」
「へぇ、見てみたかったかも(笑)」
周辺を歩いていると 丁度下山してきた人たちが駅へと歩いている
人の流れを見ていると 彼女が薄着であった事に気が付いた
「さん、大丈夫?だいぶ寒くなってきてるが」
「少し肌寒くなってきましたよね。日が落ちると余計に冷え込むかも・・」
「俺のジャケット着る?」
「いえ、平気です。ありがとう」
とはいえ、このままこの姿で歩かせて風邪でもひかせたら大変だ
しかも 風邪をひいた理由なんぞ北山が聞いてきて
『酒井さんといた時に』
なんと言われた日には殺される 絶対殺される(汗)
「風邪でもひいたら大変だ。車戻ろうか」
「そうですね、これから皆合宿に入るんでしょ?」
自分の心配をする前に
俺の心配をしてしまう彼女を 心底愛しく思えた
いっそのこと このまま2人で消えてしまえたら・・・・
まずもって有り得ない思いが胸をかすめた