試合当日、集合時間30分前に一度 黒ぽんとこのお店に立ち寄ると
既に女の子達は店の前で賑やかにしていた。
「おぉい!お待たせ、待った?」
「あー、大丈夫だよ。私達も今さっきお店出たばっかりだし」
なにやら 大き目の荷物を見ながら深羽と沙羅ちゃん、小夜ちゃんが顔を見合わせて
笑っていた。
「今日 ちょっと早めにお店に待ち合わせてお弁当作ったんだ。」
「うっそ!まじで?!」
俺の驚いた顔を見ると 満足したかのように彼女達は笑ってる
「ホントにさぁ 凄い賑やかだったよ」
店の入り口から 頭をかきながら黒ぽんが顔を覗かせた
「ホントすみません。ご迷惑かけちゃって・・」
すまなそうに 黒ぽんに沙羅ちゃんが謝ると慌てて
「あ、いやいや全然大丈夫だよ(汗)だけど 沙羅ちゃん本当に手際いいよね。
家でやってるのは見てて分かるよ」
そう言われると途端に 沙羅ちゃんの顔がほのかに赤くなって「そんなことないですよ」と
遠慮気味に答えていた。・・・ん?もしや??
「ねぇ そろそろ行かないと時間間に合わなくなるよ」
深羽が時計を見ながら そういうと俺と深羽、沙羅と小夜ちゃんは待ち合わせの公園へ
向かった。
試合は前半25分 てつのフリーキックから直接ゴールを決めて先制するも その10分後に
相手チームのMFがフリーの状態でミドルシュートを決められ振り出しのまま前半終了。
折角 応援に来てもらってるからには勝って終了したいよね。
ハーフタイムは前回の借りを絶対返そうぜ!!と 意気込む我がキャプテン(笑)
やっぱりね 応援席に好きな子がいると張り切っちゃうよねぇ。
応援席では公園で合流した姉貴と鈴音さんも来てるし そりゃ・・ね。
張り切るでしょう てつも。
後半は押しながらも得点には結びつかないまま、だけど前半からの俺達の張り切り様で向こうは既に
ばて始めてる。よし ここはチャンスだと相手DFを振り切ってゴール前でシュートを打とうとした瞬間・・・・
「優!!後ろ〜〜!」
深羽が叫んだと同時だった
後方から 相手DFがスライディングでカットしようとして そのまま俺の足を蹴ってしまった。
地面に倒れた俺はもうそのまま痛くて立ち上がることも出来ずに蹲ったまま痛みを堪える
しかなかった。
「おい!ヤスっ大丈夫か?」
「あ・・・う・・、だいじょぉぶ・・でもないかな(汗)ちょっと今は立てないかも」
「ちょっ、取り合えずベンチに運ぶぞ。」
そう言うと 敵味方関係なく近くにいた連中で俺を応援ベンチまで運んでくれた。
「痛むか?」
「うん・・ありがと。ちょっとまだ動かせられないかな」
「ちょっと待て。誰か!!車で来てる奴いねぇか?」
声を掛けてみるも ほとんど近所に住んでる連中なので顔を見合わせるばかりで
誰も車で来ていなかった。
「ちょ・・ちょっと待ってね。 村上さん!!」
「ん?何 埜絵瑠ちゃん」
「北山さんが車出してくれるって、来たら病院に行ってきます」
「おー 北山か。じゃ、悪いけどお願いしちゃっていいかな?」
「はい。」
痛みもどんどん増してきて 動かすどころの状態ではなく
腫れもさっきより酷くなってきた
やべー・・・骨にいっちゃったかな?(汗)
「深羽ちゃん?ね、大丈夫・・顔真っ青だよ」
話は聞えるけど 顔をあげる余裕さえもうない様子
「一緒に・・来る?」
埜絵瑠が声を掛けると 深羽は静かに頷いた
周りがようやく落ち着きを取り戻した頃
クラクションの音
皆が土手の方を見ると そこには酒井さんが手を振って
こちらへと降りてきた
「お待たせ。今 あっちに北山が車付けてるから・・・」
「わりぃ 酒井 こいつ頼むな」
「了解。ほら、ヤス立て・・・なさそうだな(汗)
ちょっと大将 ちょっと手伝って」
「大将って・・・ほら肩に手回せ」
そうして 酒井さんと てつに両腕を回し2人に抱えあげられるように
北山さんの軽のワゴンに乗り込んだ
「調べたら 総合病院が整形外科やってるからそっち行くよ」
そのまま 車で5人は病院へと向かっていった

