翌日 少々早めに自宅を出て駅前の交番に向かった

遅くなっちまったが 届けないわけにもいかねぇしな


「すいませーん」

交番入り口をくぐり 声を掛けると

先客がいたらしく 女子高生の話を警察官が聞いていた


「あ、ちょっと待っててくださいね。落し物の届け聞いたら伺うから」

「はぁ」


見るともなく その女子高生の方を向くと

向こうもこちらを向き 俺は思わず


「あ!昨日の!」

「えぇ??」


向こうは何のことだか全く分かっていない様子で

キョトンとした顔をしている

いや、まぁそうか・・・


「昨日 商店街前でぶつかりそうになって携帯落としたでしょ?」

「あ、あの時の!!」

「そうそう、昨日携帯落としてそのまま走っていっちゃったから

声かける間もなかったんだよね。連絡しようにも 人様の携帯だから

勝手に開けるのも気が引けたもんで。遅くなって申し訳ない」


「それじゃあ 君が彼女の携帯を拾って届けに来てくれたんだね?」

「そうですそうです。」

そういうと 彼女はホッとした顔で


「ありがとうございます!昨日 予備校の時間に遅れそうになっちゃって

凄く慌ててたんです(汗)ご迷惑お掛けしてすみませんでしたっ」


深々とお礼をしてくれたのはいいのだが 今時珍しい 礼儀正しい子だなぁ

巷で見かける いわゆる「いまどきの」女子高生とは違い



ショートカットのヘアスタイルに

見苦しくない程度のスカート丈で 俺は好印象を持った



彼女は 倉貫 小夜ちゃんと言うらしく、近くの高校に通っているらしい



あぁ そういやその高校なら沙羅ちゃんも行ってるな

ぼんやり考えてると


「それじゃ これから予備校に行かないといけないのでこれで失礼します」


再びお礼を言い、ペコリと頭を下げると交番を出て駅へ向かっていった

俺もそのまま お巡りさんに挨拶だけし交番を後にした