「おはようございます」
「おはよう。今日来るの早くない?」
陽一くんのお母さんが時計を見ながら声を掛ける
「ついでに陽一くんに借りてたCD返そうと思って
ちょっと早めに出てきたんですよ」
「あら、陽一なら朝ごはん食べてるから
その間花選んでてね」
「あ、はい。そうだ、おばさん具合大丈夫なんですか?
昨日村上さんから倒れたらしいって聞いたから」
「大げさに聞いたんじゃないの?(笑)大丈夫よ、昨日ゆっくり
させてもらったから大分楽になったわ」
笑いながら おばさんは開店準備に戻り、
私は店の花を選びながら彼を待っていた
「おはよう」
低めの柔らかい声のする方へ顔を向けると
Tシャツにスウェットというラフな格好で顔を出している
「おはよー。昨日は・・・・CDありがとう、返さなきゃて思って」
「いいのに、しばらく持ってても構わないよ」
「ううん、気に入っちゃったから自分で買おうと思たの」
彼は笑いながら
「それなら良かった 気に入ってもらえて。っと、もうちょっと待てる?」
「うん、少しくらいなら大丈夫だけど」
「ちょっと待ってて。すぐ着替えてくるから」
そう言うとすぐに裏へ戻っていった
慌てて戻っていく足音にクスッとしながら
お店用の花を選ぶ
「おばさん、これでお願いします」
「いつも ありがとね。あ、着替えてきたみたいよ」
階段を走り降りる音に耳をすまし
「陽一!これ包んでおいてよ」
裏の自宅の方に呼びかけるように言い
おばさんへ「分かった」と返事しながら再び表に顔を出した。
陽一くんが花を包んでいる間、おばさんへ母親に頼まれていた
町内会の班長さんあてのプリントを手渡し、世間話をしながら待つ。
「はい、埜絵瑠さん出来たよ」
「あ、どうもありがと。それで話って?」
「いや、もういいんだ。急ぎの用事じゃなかったし」
「そ?それじゃ、私もお店あるから」
花を受け取り、店を出てから時計を見る
「いけない・・・遅いって優に怒られる」