お互いのアドレス交換をして以来

メールのやり取りをしている


用事があって・・という訳ではないが

普段から生活サイクルも全く違う者同士


そして何よりも彼女は受験生だ

以前、慌しく塾へ急ぐ彼女を見ていたのもあって

なんとなく会って話がしたいとも言えず

自分の気持ちすら彼女へ伝えないまま

『友達』としての日々が続いていた








「黒沢」

「ん、何?」

突き出しの煮物に箸をつけながら

村上が黒沢に声をかけた


「最近 酒井どう?」

「どう?って何が」


要領を得ない顔の黒沢が包丁の手を休めて村上を見る


「別に何でもなけりゃいいんだけどよ」

「うーん・・・あまり普段と変わらないと思うけどね」

「そ、ならいいんだわ」

「何、なんかあったの?」

「いや別に」

「気になんだろ。言えよ」


考える様子の村上に対して何の事か全く分からない黒沢が

少々苛ついたような口調で言う


「前にさ、小夜ちゃんって覚えてるか?沙羅の友達でさ

ほら、ヤスが怪我した日に来てただろ?」

「あー、いたね。その子がどうかしたの?」


「どうかしたっていうかね・・・この間うちに遊びに来たんだよ」

「それで?」

「沙羅から聞いた話だからちょっとホントかどーかわかんねぇけど

酒井の事気になってるみてぇなんだわ」



そう話すと黒沢は少しばかり驚いた様子で


「だって小夜ちゃんって子さ、沙羅ちゃんと同い年だろ?

酒井と10歳も年の差開いてるじゃん」


「そうなんだよな、まぁ 他人の恋路を邪魔する奴はなんとやらだし。

酒井の方から俺たちに何か言ってくるんだったら相談くらいは乗るけどな」


「へ?何で?酒井がって・・・え?えぇ?!」

「お前、本当に気づいてなかったのかよ?」

半ば呆れ気味に黒沢に言うと 黒沢も『全然・・』と村上に返事する


「お前・・・本当に鈍いな」

「しみじみ 言うなよ」