「・・・・・・・」
「ねぇ・・・ちょっと機嫌直してよ(汗)」
一生懸命言い訳をしているの隣でずぅ〜っと黙ってる俺。
何で黙ってるかって?
この間、ラジオの収録が終わってからちょっとスタジオに行くまでに時間があって
ちょこっと外出した時の出来事だったんだ。
大通り沿いのオープンカフェをふっと覗くとがいた。
『丁度良かった、時間あるし一緒にお茶しよっ』って思ったのもつかの間
あいつの隣に座っていた見知らぬ男。
しかも、すごく楽しそうに喋ってやんの・・・・
なんだかムカムカしてきちゃってしばらく隣の男を睨みつけていたら
が俺に気がついた。
「優っ!?」
なにそんなに慌ててるんだよ・・・
そんなに俺がいて驚かれるようなことしてたの?
ちょっと待ってて・・・と男に言うとこっちにやってくるけど
それとは反対に俺はそのまま街の人並みに紛れ込んでいく。
が俺を呼んでいるけど、そんなの知ったこっちゃない。
気持ちが曇ったまま数日が過ぎ、レコーディングへ入ったある日
窓の外を眺めながらタバコを咥えると・・・・
「おい。これからレコーディングだっちゅうのになにタバコ吸ってんだよ!!」
気がつくと、俺の後ろにリーダーが腕組しながら立っていた。
「あ、リーダー・・」
「俺だって我慢してんだから、やめろよな」
と、咥えていたタバコを取り上げられる。
「一本くらいいいじゃんよ〜」
「ダメだダメだ。仕事だからな、ちゃんとケジメつけろよ。んだよ彼女と喧嘩したくれぇで
イライラすんなって」
・・・・なんで知ってんの?!この人・・・・
ちょっと面食らった顔していると笑いながら
俺の顔を見て察したらしく
「さっき北山のトコに電話が来たらしくて、彼女と何かあったらしいから慰めてやって・・って
言われたんだよ」
「なんだ、じゃあ理由知ってんでしょ?」
「まぁ、なんとなくな。別にいいだろうよ、男とお茶してるくらいでそんなにイラつく事か?」
「俺はやなの!」
「・・・・んな我侭な(汗)」
別に我侭だっていいよ。
他の男にその笑顔を向けられるのが嫌なんだ・・・
束縛したいのかなぁ、俺。
だけど、大事な女性(ひと)にはやっぱそう思うじゃん。
「これ以上は俺は何も言わねぇけどよ、仕事は仕事だかんな。」
「分かってるよ」
「その代わりに・・・」
ゴソゴソと何やらポケットから取り出し
「ほれっ!」
「え?あぁ〜と、と・・・」
俺の手にキャッチしたものは
小さなキャンディー
「それ食ってろ(笑)」
「何、これ?俺はお子様じゃないよ(怒)」
リーダーは笑いながら仕事場に戻っていく。
ちょっとは気持ちが楽になったかな?
ほんの少しリーダーに感謝しつつキャンディーを口に入れ
俺も仕事場に戻った。
「なぁ、ヤス」
黒ぽんの歌入れ作業中に突然北山さんが
「ちゃんと仲直りしておけよ・・・」
「なんでそんな事言うんだよ」
「ちゃん、お前の携帯に電話しても全然つながらない・・・って言ってたから」
「あぁ、電源切ってるからね」
譜面を見ながらぼそっっと言う。
「でも、後で連絡くらいはしておけよ」
「分かってる・・・」
そう、俺も分かってるんだけど、どうしてもあの時の2人で楽しそうに笑っていたのが
頭をよぎるんだ。
そのことを考えるだけど胸がズキっとする。
この日の作業を終え、スタジオを出てから携帯の電源を入れるとからのメールが
何通か入っていた。
『これから逢いたいの、時間ある?』
・・・・・・・・
これが最後に入っていた内容。
着信時間はまださほど経ってないな・・・・
俺はそのまま
『今、仕事終わったトコ。逢えるけど、何?』
と、それだけ・・・。
そう、それだけ。


