「仕事の合間だけど 最近会って話してないし、近くで会えないかな?」
そういうと優は私の仕事の終了時間を考えつつ
レコーディングスタジオの近くにあるお店で待ち合わせ
だけど 神様の悪戯か日ごろの行いが悪いのか
余裕を持って退社時間ちょうどに出ようとカバンを持った時
「さーん、客先から電話入ったけど〜」
・・・・本当に神様は悪戯がお好きなようで
結局、客先からの電話にてこずってしまい
気が付けば 待ち合わせの時間を30分も経過していた
「おーい 」
「ごめん 待った?」
両手を合わせて『ゴメン』のポーズをとりつつ
大きく手を振っている優の席まで早足で向かった
「んーでも 30分位だからね。本読んでたし、大丈夫だよ」
「優こそ仕事は大丈夫なの?」
「レコーディングの順番が一番最後なんだよね(汗)だからしばらくは
時間空いてるんだ。っていっても、遠出とかできないんだけどね」
会話の途中、ウェイトレスさんに注文をお願いし 私達のテーブルから離れると
話を続けた。
しょっちゅう会えるわけじゃないから あえない間の出来事や、次の休みが決まったら
旅行でもしたいね・・・などなど。
お互い会えなかった時間を埋めるように途切れることなく話に花を咲かせていた。
「お待たせしました。」
ガラス製の小さなポットには お湯の中で静かに佇んでいる小さな丸いかたまり。
やがて時間が経つと その小さなかたまりは
1つ・・・また1つとゆっくり花開くように お茶の花を咲かせていた。
「これ、なに?」
優が不思議なものを見るように ポットに顔を近づけて見ている。
そんな姿を見ながら
「ジャスミン茶だよ。このボールみたいに丸くなってるけど 時間が経つと
ゆっくり花開くようにほどけるんだよ」
「こーゆう お茶は初めて見るよ。面白いね」
なんだか嬉しそうにポットを眺めてる
見てる私も嬉しい気持ちになりつつ
「そうね、私も家でよくここの茶葉を買って飲んでるんだけど、
この花見てると忙しない普段の生活から解放される感じがして好きなんだ」
「じゃあ、俺がよくやってる入浴剤とかお香とかの『癒しグッズ』と同じような感じだね(笑)」
「うん、同じだよ(笑)」
でも、やっぱり私にとって一番の「癒し」は
こうして好きなお茶を飲みながら
好きな人と一緒にいるこの『時間』
この花のようにゆっくり時間をかけて
あなたと一緒に過ごす時間を大事にしたい


