「あ〜〜!!もう 嫌っ!!」
梅雨も半ばまで来ると徐々に暑さが追い討ちをかけてくる
そんな中 彼女が何に腹を立ててるって・・・
「なんで私ばっかり蚊に刺されなきゃいけないのよ」
「俺に言うなよ(汗)」
ベッドで上半身だけ体を起こし本を読んでいると
隣にいたはベッドから降り部屋を出て
向こう側でなにか探してる物音
しばらくするとは戻り
ベッドに再び腰掛け持ってきた箱の蓋を開ける
「はい!」
「はい?」
中から取り出し手渡されたものは
そう
『虫さされの薬』
「これ どうするの?」
「“どうするの?”って塗るに決まってるでしょ?」
「いや、それは分かってるよ」
冗談でも<食べるの?>なんて聞けやしない雰囲気
さすがの俺でもそりゃ分かるって
「薫君 ここ塗って。私 こっち塗るから」
「あ〜、はいはい。しっかし 凄い腫れてるよ。ここら辺」
そう言いながら特に被害にあっている 左のひざ下の箇所に丁寧に塗っていく
「ホント 嫌になる位刺されてるし・・・。薫君は?」
「え・・・別に」
そう
に引き換え俺はというと これが全然被害にあっていない
「マジで〜?」
「やっぱり 若いO型の血は美味しいんだよきっと」
フォローを入れたつもりも
「そうやって・・・人事だと思って言ってるでしょ?」
の一睨としばしの沈黙で見事玉砕
「はい、こっちは終わり」
「うん、こっちはそんなに食われなかったけど。
もうそろそろ蚊取線香入れないとだめかなぁ」
「後で買い物ついでに買って来るか。だけどもうそんな時期か」
そんな事を言い薬をに手渡しながら
・・・いい事を思いついた
「じゃあ、特効薬でも・・・」
読みかけの本はサイドテーブルに静かに置き
彼女に向かってニコリと微笑む
「え?特効薬って・・・・え?えぇ?ちょっ、ちょっと・・」
覆い被さる俺に 慌てたは抵抗できるはずもなく
****** 翌 日 ********
「おはようございまーす」
「あ、黒沢さんおはよー」
「あれ?黒ぽん」
北山が横を通った時、何か見つけたような顔で俺に声かける
「なんだよ?」
「“虫さされ”には気をつけなきゃね」
そう言って俺の肩を叩きながら 部屋から出て行く
「何だよ・・・、虫刺されって別に痒くないんだけど」
何事かに気が付いた ヤスが
「黒ぽん、トイレの鏡で見てきた方がいいかも」
と 声かける
「??」
「いいから いいから。まだ打ち合わせ始まらないしぃ♪」
俺の背中を押す
絶対おかしい
押されるがまま 会議室を出てトイレに入った
見ると1箇所 首筋に赤く染まる痕
「・・・・!!・・・・・・・・」
「北山さん 上手い表現だねぇ『虫刺され』って」
大笑いしながら 手渡されたコーヒーに口をつけると
「いや、露骨に『キスマーク付いてる』って言うのもね」
自分も買ってきたミネラルウォーターに口をつける
「そこが北山さんの優しさって奴?」
「でも あの場にてっちゃん達がいなくて良かったね」
「うーん・・・あれどうやって隠すのかがちょっと楽しみだったり」
どこまでも悪さが好きな年少組である